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仏壇編その5

仏壇屋へ行く日。
じいが頭から湯気を出して怒った。

施設へ迎えに行ったら、じいは部屋でうたた寝中。
起こして
「今日はおじいさんの孫も一緒に来たよ。」
『ご苦労様』
「違うでしょ。何と言うの?」
『わからん』

仏壇屋へ行く前に私達は仏壇の守はできない旨、念を押すことにしました。

私達は施設を探すことから始まって入居に伴う色々なことを手伝って来た。
こうして落ち着いて暮らせるようになってよかったね。

今日、仏壇を買いに行くことで一応じいさんの希望を聞くのは終わりにするね。
それに私達は仏壇の守はできないから、兄貴に頼んでね。

じいは兄貴に対して何も悪いことはしていないと言っていたから自分で頼めるよね。
それだけは念を押しますよ。

ここまで言ったら、じいが突然怒り出した。
黙って聞いていればいい気になりおって。
ワシが何でお前たちに叱られなきゃならないんだ?
ここに入って来たこと、やってもらったこと、買ってもらったことを恩にきせられるぐらいならワシはここを出て行くと言い出した。

私達が仏壇を守できないことを何度も言っているのにわかってないようなので、念を押すために言っているんだよ。
と夫が言うと、『うるさいうるさい。』

息子の車の中で、
『今までのことを恩に着せおって、何でワシがへこへこしなくちゃならんのだ。』
えらい剣幕で怒鳴りっぱなし。

助手席の夫が「K子!こらえろよ」
じいの隣の私「うん。わかってる」

車内はかなりの緊迫感。

仏壇屋へ着くと『ワシには何を選べばいいかわからん。お前たち下調べをしてないのか。』と喚きちらす。
私は自分で選べばいいと思い一切口出ししなかったが、夫と息子が見かねてアドバイス。
結局、上置き型の真宗の金仏壇「163800円也」に決めた。

決めたあとも店の中で喚き立てた。
子供が親のために色々なことをするのは当たり前じゃないか!
ワシが何で子供にへこへこしないかんのだ?


親父の本性見た。

そばにいた女性店員が「ふーっ」とため息をついた。

夫が、「おじいさんの態度がそんなんじゃK子はおじいさんのところへ行きたがらないよ。」
『来てもらわんでもええ。』
「あっそう!いいんだね。」
売り言葉に買い言葉。

私はじいを施設へ送り届けるまで全く口をきかなかった。
じいがもう来なくてもいいと言ったので仏壇が届くまでの2週間、顔を合わせなくても良さそう。

じいはめっちゃ格好悪かった。
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by spremuta-arancia | 2007-06-10 13:27 | じい関連 | Comments(0)

平凡だけど幸せな毎日を過ごすおばさんの日記


by spremuta-arancia