じいの施設を訪問

今日は手話通訳の帰りに一人で行ってきました
居室の階のエレベーターホールに机や椅子があって
同じ階の住人のたまり場になっています
何人も座っているその中に、じいもいました

「こんにちは」
『なんだぁ今日は?珍しいなぁ』
居室へ移動
『今日は何の用だ?』
「顔を見に来ただけ、別に用事はないよ」
「手話通訳の帰りに寄ってみた」
『忙しいか?』
「ぼちぼちでんな」
『この部屋は寒いだろう。エアコンかけるか?』
特に寒くないので「かけなくていいよ」
吝嗇家のじいはエアコン代を惜しんでたまり場にいるのか?はぁぁ成る程

ベッドの上には敷き布団と掛け布団、それにタオルケット2枚を掛けているだけなので
「毛布は掛けないの?寒くはないの?」
『大丈夫だ。ちょっと前は掛けていたけど今はこれで十分だ』
気温に合わせ調節している
まだボケていないようだ

『ところで、いつまでもここに居る訳にいかんのだが、と言って行くところがないんだ。
ワシはどうしたらいい?』
「どこへも行かずにここに居ればいいと思うけど」
『いやなんだ。ここから一刻も早く出たいんだ』
姉に「そこで死ぬまでいたらいい」と言われたと、じいが繰返し言う
行く場所がないこともわかっているのに
『どうすればいいんだ?』
暇つぶしかい?
と思うほどなんべんも聞くので
「私もどうしたらいいかわからないよ。おじいさん!一生かかって考えて!」
我ながら巧い言葉を思いついたもんだ
これ使える

『ここにいても、話し相手が居ないんだ』
入居者と話せばいいのに
「自分から話しかければ?
他の人がHさん!Hさん!と言ってくれるのを待っているだけじゃダメなんだよ」

「M子さん(姉)のところへ行きたいんだったら、自分で頼んでみたら?」
「でも、M子さんだって仕事があるから、日中はおじいさん一人ぼっちなんだよ」
『朝と夜だけでも話ができる』
「ここにいれば、いつでも職員や入居者仲間と話ができるじゃないの?」
『ここはダメだ。ただじゃない。お金がかかる』
「M子さんのところにいても、おじいさん、自分の係りは払わなきゃダメだよ」
『食費ぐらいはちゃんと払うさ』
吝嗇家のじい、施設へ払うお金が惜しくて言っているんだろうか?

じいの言うことは現実的ではない
姉の家は古く3階建てマンションの2階だ
エレベーターもない
バリアフリーになっている訳でもない
風呂は滑りにくい材質のタイルを使ってはいないし
じいは今では一人じゃ入浴できない
仕事を持っている姉が昼間、じいを一人で留守番させて出掛けることは無理だろう
他にもいろんな理由で、もう現実的に難しくなった

『今日が何日かわからなくて誰彼となく聞いて回っている
聞いてもすぐに忘れてしまうんだ』
忘却もまたいいもんだと思うが…

「いいことがあるよ」
カレンダーの2月1日から23日まで×をつけた
「今晩、寝る前に24日に×をつけなよ」
「毎晩、寝る前に×をつけたらいいよ」
「これをやれば、人に聞かなくても、今日が何日かわかるでしょ!」
今日、私は冴えてる

『そんな面倒なことできんわ。お前が来て、しるしを付けてくれ』
はあー?何言ってんの?
今さっき、『忙しいか?』って聞いてくれたばっかりじゃないのかよ?と思ったが

「人間、生きている間は努力を惜しんだらいかんよ。これぐらいのことは自分でしなきゃね」
「じゃあね」
と帰ってきました
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by spremuta-arancia | 2009-02-24 18:38 | じい関連 | Comments(0)

平凡だけど幸せな毎日を過ごすおばさんの日記


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